世界的にも異常に高い日本の学費に「とても払えない」と学生や保護者から悲痛な声があがっています。参院選でも重大な争点に。日本共産党は学費の無償化を掲げます。
「受益者負担・自己責任押し付け
「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」事務局長の岡村稔さんは、学費・奨学金の大きな問題は「受益者負担」と「家族主義」だといいます。
憲法では、「教育を受ける権利」がうたわれています。ところが、1971年の中央教育審議会答申から政府は大学の学費を「受益者負担」だとして、“自己責任”“家族責任”を持ち込みました。以来、学費は国立は45倍、私立は10倍に上昇。同時期、政府系を含む金融機関で学資保険や教育ローンが誕生しました。「政府は貸与奨学金の前提となっていた『安定雇用』を壊しながら、親が担えなくなった負担を学生に背負わせています」
国際人権規約の無償化留保
1976年には、高等教育まですべての段階の無償教育と教育の充実を定めた国際人権規約が発効しました。日本は79年に批准しましたが、中等・高等教育の無償化条項を留保しました。
2012年留保撤回したのに
民主党政権下の2012年、日本共産党の宮本岳志衆院議員が「無償で教育を受ける権利を保障するのが世界の常識だ」と留保解除を求め、政府は留保撤回を表明。同年、160カ国中159番目に留保を撤回しますが、自公政権は高等教育の無償化を実現する計画も立てず、そのための会議も一度も行っていません。
韓国は大学入学金廃止・学費半減
他方、1990年に国際人権規約を批准した韓国は、大学学費の半額化を進め、国公立大学の入学金を廃止。給付制奨学金を充実させ、学生の半数が利用しています。
無償化めざす共産党
日本共産党は教育費の無償化をめざします。参院選政策では、まず大学・専門学校の学費を半額に引き下げ、入学金制度を廃止します。さらに給付奨学金を75万人(現在の奨学金利用者の半数)まで拡充し、すべての奨学金を無利子にします。返済の負担を軽減しながら、20年間返済すれば残額をすべて免除します。新型コロナの影響で、休学や卒業を延期した学生の学費補助などの支援を強化します。財源は大企業・富裕層の優遇税制や行き過ぎた減税などを見直し、確保します。
1979年以降、日本共産党国会議員団が求め続けた国際人権規約の留保撤回が、私立高校無償化の拡充や学生の給付奨学金創設・拡充につながっています。