進まない取得に飴とムチ
マイナンバーカードは、個人情報の集中や国家による一元管理の危険が指摘され市民の取得がなかなか進みませんでした。そこで健康保険証とつなぐと7,500円、口座とつなぐと7,500円のポイント支給。現在利用中のキャッシュレスカードとつなぐと、2万円使うと25%の5,000円ポイント加算となります。合わせて2万円分のポイント加算に碧南市市役所に設置された申請特設窓口に列もできています。 それでも、約半分の申請となっておりポイント加算時期を12月まで延長しました。 その一方で、岸田内閣は健康保険証とつなぎ従来の保険証廃止など強行姿勢に大きな批判が広がっています。
保険証24年秋廃止・
乱暴な方針撤回を
岸田政権は、現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードに一体化させると表明しました。マイナンバーカードの取得は法律で任意とされているのに、事実上の強制となります。
カード取得を事実上強制
政府はこれまで、現行保険証を「原則廃止」する方針でしたが、今度は期限を切った一律廃止を打ち出しました。
マイナンバーカードを持たない人の医療についてはこれから対策を考えるという無責任な姿勢です。認知症など手続きが困難な人たちへの対応も見えません。
「マイナ保険証」は2割のみ
マイナンバーカードの交付率は9月末時点で全人口の49%と半分以下です。碧南市でも最新申請で50%です。保険証を一体化させた「マイナ保険証」は昨年10月に運用が始まりましたが、利用者はいまだに全人口の約2割しかありません。
医師も8割反対、国民管理ノー
医療現場からも保険証廃止に異論が出ています。現行保険証なら目視で確認できるのに費用と手間をかけた対応が必要となります。全国保険医団体連合会(保団連)が医師・歯科医師を対象に8月に行ったアンケートでは、保険証の原則廃止とオンラインでの資格確認の義務化に約8割が反対しました。「医療従事者はコロナで大変。こんな時にやる必要性を感じない」「ほとんどメリットのない制度。医療機関・患者双方に負担」「拙速しかも高圧的」など怒りの声が数多く書き込まれました。
政府は信頼されていない
昨年の国会では、政府系金融機関の顧客情報や行政が持つ個人情報の外部提供が明らかになりました。個人情報保護をないがしろにして個人データを集め、管理・利用する政府に国民は強い不信を抱いています。個人情報収集の入り口に位置づけられているのがマイナンバー制度です。制度の見直し、廃止が必要です。
反対署名2日間で10万に
マイナンバー制度反対連絡会が呼びかけたネット署名「保険証を廃止して、マイナンバーカードに一本化することに反対する緊急署名」が急速に広がっています。13日正午ごろ開始されたネット署名は15日、わずか2日間ほどで9万3000人(午後7時現在)を超え、10万に迫っています。
「今の政府、政権に私たちの情報を預けることはできません。嘘(うそ)と隠蔽(いんぺい)にまみれ、情報管理などもできない」「カルトを断ち切らない政府に個人情報差し出すなんて、薄気味悪さしかない」など国への不信の声があふれています。
「マイナンバーカードの取得は、法律上任意。国民の声も聴かず、国会審議もしないで勝手に決めるな」といった強権的な手法への批判も。「パスワードの管理ができないお年寄り、認知症患者を抱える家族にも不安」「紛失のリスクが高く個人情報の流出が不安」など不安の声も多く寄せられています。
連絡会は今後、紙での署名にも取り組みます。これらの署名を活用して国会議員へ要請し、12月6日にデジタル庁、厚生労働省、総務省へ提出するとしています。