広域化は業者への利益誘導
碧南市と中部電力が協定した「ごみ焼却施設の民設民営化」の計画に対し「公設公営を守ろう」と日本共産党は訴えています。
市当局は、衣浦衛生組合では決着済みの広域化を口実に「渡りに舟」(市長)と民営化
を進める予定です。
国や県が計画している「ごみ焼却場の広域化」の問題点を深めるため、8月8日、市民も含めた碧南・高浜環境を守る会10人が、武豊町のゆめくりん(武豊町字一号地11ー37)知多南部広域環境組合に行ってきました。
ここは、公設民営(DBO方式Desgn.Build・Operate=デザイン、ビルド・オペレーション)行政が国の交付金や公債などで建設資金の調達を行い、民間が設計・建設・維持管理を担わせる方式です。公設公営から民間に利益誘導することになります。
「燃やす」前提、気候危機打開は後継
2022年4月から稼働した「ゆめくりん」は日/285tの処理能力で、ストーカ方式(稼働する火格子でごみを送る)2炉。全熱量を発電に使い、施設内と売電に回しています。建設費約200億円(国60億円3/1 。地方債122億円。自治体負担金10億円)です。
そのほか、施工管理2億円。20年間の維持管理委託料105億円です。
見学コース、研修コーナーと簡易なものが一通りありますが、掛川市のように、気候危機の問題、何をどうリサイクルしているのか肝心なことは明示されていません。
組合は各自治体1人づつ5人のみ
武豊町以外は、従前の組合を存続、リサイクルや中継点の管理などを行っています。
ゆめくりんには各自治体から1人づつ5名が部課係長など役職ふくめ派遣され、議会(武豊町4人+各自治体3人×4=の16人で構成)
の対応などを行っています。組合職員5人減。委託業者89人が職場を失いました。
従来、半田市/150t。常滑市、武豊町/150t。美浜、南知多/112.5tの
合計日/412.5tの処理能力でしたが、新施設は日/283tで行っています。
セントレアの剪定ごみも焼却
本来、産業廃棄物の中部国際空港セントレアの選定ごみが大量に、燃やされていました。
遠方や離島の中継点も設けるなど、広域化による問題も抱えています。耐用年数の20年間、請け負う株式会社には20年間で105億円。年約6億円の公金が渡ります。公務労働の削減が公務の責任をもそぎ取ってしむことを見逃してはいけません。
安城市は自立へ、破綻した広域化撤回を
衣浦東部広域計画は、2021年11月に策定した「ごみ処理広域化・集約化計画」の中で《左図》のように、安城市、碧南市、高浜市の広域化を計画しています。ところが2023年初頭、安城市は2052年まで、現施設を改修すると公表しました。破綻した広域化計画は修正し碧南市と高浜市も自立の道を進めるべきです。国県言いなりで、広域化に縛られ、あげく「民設民営化」で責任回避をもくろむなどありえません。中電の税金をあてにしてきた国県市は、莫大な利益を、石炭や原発から、省エネ再エネに転換を求めるべきです。