1人1問、撮影禁止
ことし1月、愛知県武豊町の火力発電所で発生した火災から4ヶ月。JERAはようやく住民説明会を開催しました。会場は、約90人の社員。正面には所長、副所長、技術部長、統括部長が鎮座し、場面場面で、一斉に深くお辞儀をするテレビでおなじみの、「謝罪」場面を繰り返しました。 しかし、会場からの質問は1人1問、写真も禁止というものでした。参加者は120名、時間が足らなくなるほどの質問が続きました。
「市民の会」の23項目の質問は無視
「武豊の環境問題を考える会」事務局長大久保崇さんは、23項目の質問を作成し回答を求めています。しかしJERAはこれを無視しました。
いいのか下からの散水装置
爆発後、火がコンベアーに燃え広がりました。碧南石炭火力発電所では、コンベアー火災が繰り返され、消防署からスプリンクラーの設置を指導。 効果が見られています。しかし武豊ではコンベアーの下からの散水で、火の方が早かったと。
半田消防署も、はしご車が届かないので、燃え落ちるのを待つしかないと、してきたとJERAは答えました。
石炭とバイオ同じコンベアーでの無理
武豊火力は2017年に、石油原料から、石炭専焼でリプレースを計画。しかし環境省からCO2問題で懸念を指摘されました。急きょバイオマス混焼に変更したものです。
しかし、設備の変更が追いつかず、同じコンベアーを機械的に持ち上げてバイオのONtoOFFを切り替えるものとなりました。それ自体が、摩擦が起きる構造であり、今回この部分で爆発が起こりました。JERAはも「大量のバイオマス燃料を運搬する際に生じた粉じんに設備の摩擦による熱で着火したことなどが原因だった」と発表しています。
稼働なしでも電気はある=石炭発電廃止を
「武豊火力発電所」で爆発音とともに火災が発生し、けが人はいなかったものの発電所は現在も稼働を停止しています。バイオマス燃料の「木質ペレット」を一時的に貯蔵する設備の上部で発生。大量の「木質ペレット」をベルトコンベヤーによって高速で運搬したことで多くの粉じんが発生し、それにベルトの摩擦による熱で着火したことなどが火災の原因としています。
JERAは、来月末をめどに再発防止策をまとめるとしていますが、現時点で発電所の復旧の見通しは立っていないということです。
一方、東海地方などで送配電を行っている中部電力パワーグリッドによりますと、「武豊火力発電所」が停止している状況でも今のところ、管内の電力の安定供給に支障はないとしています。
107万?で54%の稼働率のこの武豊発電所は、無しでもやっていけるということです。
再稼働のためには、根本的な施設改善が必要です。国もバイオマス火災、爆発が相次ぐ中、対策強化に乗り出しています。厄介な、バイオや石炭に固執し「石炭火力発電所」の廃止を訴える世界の世論に背を向けることは、許されません。
廃止の決断を下し、再エネ省エネに転換すべきです。